インターネット「ぴゅう太郎」 「いつか何処かで」
ー旅のメモランダムー
島 一朗
1 韮山のイチゴ
春になると暖かい日差しを浴びてバラ科の花々が開きます。そして旧暦桜月、しばらくの休息のあと、バラ科の草木の花は、ほのかな香りとともに、イチゴそしてサクランボに実を結びます。私は、「ストロベリーフィールド」というビートルズのあの不確かなメロディーが脳裏に流れる中、地名でなく、確かな味覚を求めて韮山まで足を運びました。源頼朝が20年も流されていたという陸の孤島、ここ蛭が小島は、現在はビタミンCの王様といわれるイチゴのビニルハウスが拡がる健康イメージの里に様変わりしています。夜には電照栽培でオレンジ色の暖かいビニルハウスを見ることができるそうです。
私の目的はイチゴの食べ放題です。久能山の石垣イチゴの食べ放題に行ったことがあります。そのときの記憶では、ビニルハウスの中の暑さと甘い味で結構疲れました。懲りずにまたイチゴ狩りです。しかし、今度はコツを覚えました。
まず、ゆっくりと腰を落ち着けイチゴの畦道を下方からじっと眺めます。しゃがみながら、葉の裏をよく観察して、赤く熟したものだけを選ぶのです。そして最初はミルクは浸けずに食べます。ミルクを浸けとすぐに血糖値が上がるからです。一方、イチゴの染みは服につけないように心がけます。洗濯してもイチゴの色素は取れません。要するにお行儀よく落ち着いて食べれば問題ないのです。イチゴは思ったよりも食べられません。
美味しいイチゴは甘いのです。甘く美味しいものは、人をすぐに満足させます。満足を通り過ぎてまだ食べていると、こんどは苦しくなり、辛くなります。不思議なものですね。
イチゴの食べ方は、上品に腹八分がよいようです。
イチゴ狩りを重ねてはじめてイチゴのおいしい食べ方を修得できたような気がしました。
韮山の近くに三津(ミト)シーパラダイスがあります。ここにはラッコがいて、シャチもいます。
アムロ(安室)と云う名のバンドウイルカもいます。
人気歌手の名前をもらって上手に芸をしています。
バンドウイルカのお腹は白いのですが、背腹とも黒いオキイルカもいます。しずかちゃんというクジラのハナゴウドウもいます。背鰭に鎌の模様があるカマイルカもいます。こちらは、シリウス(大犬座)、プロキオン(子犬座)そしてレグルス(獅子座)という星の名にちなんだ名前をもらっていて、イルカショーの花形スターなのです。
ラッコはイタチ科でアシカ、セイウチ、そしてアザラシとは大きく異なっています。しかし、耳があることでアシカと、4つ足で歩くことでセイウチと、そして乳頭が2つあることでアザラシと似ています。
ラッコがお腹で貝を割るしぐさはほんとうにかわいいものです。しかし、これはラッコの習性ではなく、練習を重ねて修得するものであることが判りました。
ラッコにも貝を食べ重ねてはじめて貝のおいしい食べ方が分かってきたようです。
またラッコに会ったら、腹八分がいいよと教えてあげたい。
「いつか何処かで」